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こういう探偵小説において我々脇役が一番気をつけねばならないことは、決して名探偵よ
りも先に真犯人をあげたりしないということだ。天下一探偵が真相に達するまでは、見当
はずれな捜査をして時間を稼がねばならない。

名探偵の掟 (講談社文庫)名探偵の掟 (講談社文庫)
(1999/07)
東野 圭吾

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『完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニット
まで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かし
た名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を
破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。』

とにかく、変わった作品でした。
主人公の天下一が、時には刑事であったり時には女子大生であったりと統一されていない
ことも、大河原番三という警部と共に小説世界から抜け出し、愚痴を言ったり解説を加えた
りすることも。

賛否両論ありそうですが……個人的にはいろんなことが知れて面白かったです。

例えば、童謡や数え唄、詩のとおりに殺人を重ねる見立て殺人というのは、犯人がこれか
ら殺そうとする相手に恐怖を与える手段として(無関係な人間にはわからないが、被害者
たちにはなぜ自分たちが狙われるのかがわかる)、また、容疑を別の人間になすりつけるた
め、といった仕掛けになっているという。

まぁ、何となくわかってはいたものの、改めてきちんと解説してもらえて、
「やっぱりな、なるほど」と思えました。

さらにもうひとつ、“孤島もの”といわれるミステリ作品は欧米にはほとんどなく、喜んで読ん
でいるのは日本人だけらしい。
たしかに、限られた空間、限られた人数の中での殺人というのは犯人にとってデメリットが
多すぎて不自然ですよね。でも、それが物語を面白くさせると思うんですけど
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「思い切って、声でもかけてみるか」
俺はそう決めた。なにしろ貴重な共通点のある人間同士だ。この機会を逃す手はない。

片眼の猿 One‐eyed monkeys片眼の猿 One‐eyed monkeys
(2007/02/24)
道尾 秀介

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『俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、業界では有名人だ。今はある産業スパイに
ついての仕事をしている。地味だが報酬が破格なのだ。楽勝、と思いきや、いつの間に
か殺人事件に巻き込まれてしまった――。』

ストーリー自体はちょっと漫画的で、人によって好き嫌いが分かれそうです。
殺人事件の犯人やトリックに関しても、それほどドキドキ感があるとはいえません。
しかし、これだけは明言してもいいんじゃないでしょうか。

絶対、騙される!

と。おそらく、いろんなことを疑りながら読む人でも、これはひっかかるでしょう。
そして、真実を知った時になってツッコミを入れるんです。
トウヘイが野原の爺さんやトウミやマイミ、まき子婆さんに配ったトランプの意味に

「そら、わからんわ!」

とね。
ホント、人間の先入観というものは恐ろしいもんだな、と思わされた一冊でした
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夜空に光っているものは、生きている星だけではない。すでに息絶えてしまった星も、
最後の瞬間に放った光が地球に届くまでは、輝きだけ、夜空に残る。
ひとの命も同じだと思う。
ほんとうに大切に思ってくれるひとが、ちゃんとそのひとのことを覚えていて、懐かしん
で、語り合ったり書きのこしたりしているうちは、命は消えないんだと思う。
生きている命と、死んでしまった命が、同じように光って、輝いて、夜空に星座をつくっ
ているんだと思う。

 カシオペアの丘で(上)   カシオペアの丘で(下)

『肺の腫瘍は、やはり悪性だった――。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられ
たその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。封印し
ていた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか……。』

途中で若干(本当にちょっとだけ)、「長いな」と思ったりもしたのですが、それでもストーリ
ー展開や人の心の描写が素晴らしくて、感動しました。

今まで小説を読んで涙したことなんてない人でも、おそらくこれはヤバいと思いますよ。
事実、私がそうなんですが、本当にヤバかったですから。
個人的には、目を潤ませてつつ読み進めた箇所が3つくらいはあったでしょうか。

もちろん、実際に読んでもらえればわかると思いますので、それがどこであったか書く
なんていう野暮なことはしませんけどね。

しかしながら、もし自分があと少しで死を迎えることがわかったなら、一体どうするだろう?

俊介とは立場が違ったとしても、同じように「一体誰に許されたい?」「残る者たちに何を伝
えることができる?」といったことを考えるのか、それとも、どんな手段であれ、最期まで
「生きたい!」「死にたくない!」ともがくのか……。

――やはり、こればっかりは実際になってみないとわかりません
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